「胡奎売人頭(胡奎、生首を売る)」の段を、2012年8月23,24日の二日間約8時間で上演してもらった中から、淮安で豆腐屋を始めた祁子富じいさんが、恩人羅焜が淮安府の獄に下されたことを知り、英雄が集う鶏爪山の胡奎に救援を求めに行く部分と、胡奎が羅焜逮捕の下手人毛守備夫婦の首を奪う部分とを紹介する。人形の細かい動きと、小説テキストを随時膨らませて語る主演侯雅飛の語りに注目ください。
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一、祁子富、鶏爪山に行く
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今は淮安で豆腐屋を営む祁子富は、娘の祁巧雲に留守を任せ、恩人羅焜が捕まったことを知らせに胡奎のいる鶏爪山に急ぐ。
(実際の上演では、この場面の直後に、祁子富が、西安に柏玉霜の手紙を届けに行って戻ってきた龍標に出くわす。祁子富から話を聞いた龍標は監獄を探り、羅焜が監獄熱にやられて生死の境をさまよっているのを発見する、という話が続くが、ここでは省略した)
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祁子富はふらふらになって鶏爪山のふもとに着き、巡回小兵に負ぶわれて聚義堂に行く。(祁子富が髪を振り乱しているのは、途中の苦難を反映。腕にかけているのは旅支度の荷物)
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鶏爪山の英雄七名(裴天雄、謝元、胡奎、孫彪、王坤、李仲、魯豹雄)、聚義堂に集合。裴天雄は「羅焜はなぜ鶏爪山にまだ来ないのだろう」と言う。胡奎は、「羅焜は祁子富と行き違いになって、羅焜はすでに柏府に行ったのではないか」と心配する。(多数の人形を登場させたときは、人形を動かして、どの人形が話しているのかを示す)
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小兵の案内で祁子富が到着し、羅焜が捕まったと報告。これを聞いて、胡奎が、やみくもに救援に向かおうとすると、謝元が止める。淮安府から羅焜を奪還して、鶏爪山に迎えるという謝元の案に従い、裴天祥と魯豹祥は砦を守って、山に残る。他の五名はそれぞれ小兵を率いて、騎馬で出陣する。
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(出陣の場面、胡奎、孫彪と続き、五人の英雄が次々、白馬に乗って舞台を通過する。)
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二、胡奎、毛守備夫婦の首をとる
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(鶏爪山の英雄は龍標の家のそばの松林に集合)胡奎は(謝元の指示で)仲間に気づかれぬよう一人でこっそり、羅焜逮捕の下手人毛守備の首を狙って錦亭衙に向かう。役所に忍び込んで、隠れて毛守備の居所を探す。女中春香の話から夫婦の居室を見つける。
(搭脚・進行係の小者が登場し、小休止を告げる)
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毛守備夫妻登場。夫婦は朝廷のお尋ね者を捕まえたので、出世間違いなし、と上機嫌。春香に酒の用意をさせて、夫婦は都長安への転任を夢見る。二人の間の子宝に恵まれないことを嘆くが、夫人は、夫に「出世しても見捨てないで」と言って、二人は寝室に向かう。
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胡奎は夫婦の寝室を探り当て、頭を並べて寝ている二人の頭を一太刀で切り落とす。蚊帳を破いて、頭を包むと、そっと錦亭衙を抜け出し、龍屋敷の英雄たちのもとに急ぐ。(蚊帳に包んだ首二つは、旅の荷物で代用)
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