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蒼南単档布袋戯Ⅱ

粉粧楼


馬場英子撮影


 
 書名の「粉粧楼」とは、化粧部屋すなわち邸宅内の未婚の娘の居所をいう。ところが小説中に「粉粧楼」という言葉が出てくるのは、羅焜の婚約者柏玉霜が、悪辣な従兄侯登から逃れて自殺を図り、猟師の龍標に救われて匿われる茅葺家の屋根裏部屋を指して使われる一箇所だけである。
この臨時の粉粧楼(隠れ家)も侯登に見つけられた柏玉霜は、女中秋紅と共に男装して、淮安から鎮江の舅父李全の家をめざして旅立つ。玉霜は、李家で無事、許婚羅焜の仲間たちと邂逅するが、さらに父との再会を期して、鎮江から船で南山寺を経て都長安まで、玉霜の苦難の旅は続く。柏玉霜の流離譚が、この小説の副主題となっている。
 
 


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 柏玉霜から父への手紙を託された猟師の龍標は。留守中、決して家から出るな、と言いおいて出かけるが、玉霜は、月夜に誘われて松林に散歩に出て、酔って帰宅途中の侯登と鉢合わせする。


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 侯登は玉霜を幽霊と思って逃げるが、翌朝、酔いがさめると、玉霜は生きている、と思うようになり、おばに相談して、女中の秋紅に言いつけて、松林に玉霜を探しに行かせる。


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 松林に行った秋紅は、龍標の家で玉霜と再会する。秋紅は、必ず侯登が襲いに来るから、男装して鎮江丹徒県の舅舅を頼って逃げるしかない、と言う。


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 秋紅は柏府に戻り、玉霜は見つからなかったと侯登に報告。秋紅は男装に必要な衣類と金目のものを持ち出し、龍標の家に戻る。


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 玉霜と秋紅は男装の練習をして、旅立つ。龍夫人は見送り、侯登の襲撃に備える。


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 侯登は、秋紅が逃げたのに気づき、家の者を連れて松林に襲撃に行く。龍夫人と殴り合いになる。


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 胡奎が通りかかり、老人を多数の男が襲っているのを見て、龍母を救い出す。龍母が救ったのが、義兄弟羅焜のいいなづけと知って、胡奎は龍太太に礼を述べ、自分の家に匿うことにして出発。