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動画 莆田木身目連戯

(1981年旧暦7月、シンガポール、田仲一成撮影)


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 シンガポール、Madras Rd.にある興安天后宮では、毎年旧暦七月十九日に普度建醮が目連戯が行われるが、その際、木偶(あやつり人形)の《目連戯》が上演される。上演場所の平面図を示す。





この図の上方、目連戯棚で、午前10時から午後5時まで目連戯が上演される。
  1. 元旦祝寿:元旦を迎え、羅卜(目連)、父(傅相)母(劉氏)の寿を祝う。
  2. 齋僧齋道:傅相、僧侶道士に布施を与える。
  3. 劉氏齋尼:劉氏、尼僧に布施を与える。
  4. 劉王閙場:劉氏の弟、劉賈は貸し金の返済をめぐって王十万を県知事に訴える。
  5. 城隍受審:県知事、決裁できず、二人は城隍の裁判を仰ぐ。劉は不正手段で王に勝つ。
  6. 三官奏事:三官大帝は傅相の善行を玉帝に奏上する。
  7. 傅相謝世:傅相は病死するが、玉帝の命により、地獄に行かず、天界の極楽に行く。
  8. 遣子行商:劉氏は弟に唆され、喪中に肉食しようとし、これを諌める羅卜を邪魔にして、行商に出す。羅卜は忠僕の益利を連れて旅に出る。
  9. 雷公電母:悪人が羅卜から大金を騙し取り、雷公と電母に打たれて死ぬ。
  10. 劉氏開葷:羅卜の留守中、劉氏は肉食を始める。
  11. 議逐僧道:劉氏は夫の早世に遭って仏教を信じなくなり、僧侶道士を追い出す。
  12. 鬼嚇劉賈:劉賈の悪事をみた地獄の使者、無常鬼が劉の前に現れて脅す。
  13. 観音勧善:羅卜は山賊に捉まるが、観音が現れて救い出し、山賊を教化する。
  14. 羅卜回家:羅卜は、母の破戒の噂を聞き、行商をやめて急いで帰宅する。
  15. 母子団円:帰宅した羅卜は、母と再開する。、
  16. 司命議事:人の運命を司る司命が、劉氏、劉賈の悪事を玉帝に奏上する。
  17. 花園盟呪:益利が花園で鳥や羊の骨を発見して劉氏に糾すが、劉氏は開葷を認めず、潔白を天に誓う。
  18. 城隍起解:城隍は鬼使を遣わし劉氏を捕える。劉氏は七穴から血を噴いて死ぬ。
  19. 傅相見妻:劉氏は鬼たちによって地獄に連行される途中、傅相に遭い、救いを求める。
  20. 劉氏還魂:劉氏は、傅相の閻王への懇願で、一時帰宅を許され、息を吹き返す。
  21. 拘引金奴:鬼たちは、劉氏の侍女で開葷を手伝った侍女の金奴を捕えて連行する。
  22. 拘引劉賈:劉賈も鬼たちに拘引される。
  23. 劉氏回煞:劉氏の魂は、一時、現世に帰り、眠っている息子を見て、再び冥土に赴く。
  24. 挑仏挑母:羅卜は、母が西方浄土に再生することを願い、遺骨を担いで西に行く。
  25. 白猿開路:白猿が現れ、羅卜の道案内をする。
  26. 過黒松林:黒松林を過ぎるとき、美女が現れ羅卜を誘惑するが、羅卜は動じない。
  27. 世尊説法:梅嶺で白猿が突然、母の遺骨を奪って逃げる。羅卜は絶望して崖から身を投げると、知らぬ間に世尊の前に導かれていた。
  28. 目連座禅:世尊は羅卜を弟子とし、目連と改名させた上、錫杖を与えて地獄に幽閉されている母を尋ねるように命ずる。
  29. 三殿血湖:羅卜は、地獄第三殿に赴き、血湖地獄を見る。
  30. 目連超薦:目連は、母を救い出すために地獄の門を破っていくが、その都度、中に閉じ込められていた孤魂も地獄を飛び出してきて、救済される。これに因ん で、この1年以内に亡くなった人の家族が、舞台の下に集まり、地獄に落ちている親族の亡者の救済を求める。亡者の身替り役(替身)となる人形の肩に、親族が差し出す死者の衣裳がかけられる。替身が目連の前に跪くと、目連は、、錫杖で地上に呪文を書き、竿で死者を吊り上げて救い出す。
    親族は、舞台下に坐して、哭泣する。この儀礼が劇を中断して、一人ずつ繰り返される。親族50人、終了に1時間を要した。
  31. 三堂会審:地獄第4、5、6殿の3人の閻王が合同で亡者を裁く。劉氏も裁かれる。
  32. 六殿見母:目連は、第6殿で、ようやく母に会うが、母はさらに先の殿に送られる。
  33. 見仏賜灯:母を追う目連は、世尊に訴えて仏灯を授けられ、これを手に先を追う。
  34. 十殿尋母:地獄第10殿に到ると、母は狗に姿を変えられている。
  35. 盂蘭勝会:目連は、世尊の教えに従い、七日七夜の盂蘭盆会を行う。
  36. 一家団円:母は狗の姿から人間に戻り、傅相も天から降りてきて、一家団円となる。



(中譯)
這圖之中,上方有目連戲棚,在此從上午10時到下午5時由木偶戲和平班演出莆田木身 目連戲。其梗概如下。
  1. 元旦祝壽:元旦佳節,羅卜向父(傅相)母(劉氏)奉上祝壽之禮。
  2. 齋僧齋道:傅相布施于僧侶和道士。
  3. 劉氏齋尼:劉氏布施于尼僧。
  4. 劉王鬧場:劉氏胞弟劉賈貪賴財富,跟王十萬爭辯,二人向知縣打官司。
  5. 城隍受審:知縣不能結案,二人向城隍廟打官司,劉賈騙神獲得勝訴。
  6. 三官奏事:三官大帝向玉皇奏上傅相的崇佛行善。
  7. 傅相謝世:傅相病死,玉皇不讓他下地獄,讓他上升于天上極樂。
  8. 遣子行商:劉賈唆使姐姐劉氏破戒開葷,羅卜勸止,劉氏不耐煩,派遣他作經商。
  9. 雷公電母:羅卜帶忠僕益利出外行商,惡人用布施的名目向羅卜騙取金錢,被雷電打死。
  10. 劉氏開葷:劉氏在忌期之中冒昧開葷取樂。
  11. 議逐僧道:劉氏對于丈夫早死,認為崇佛沒效,埋冤僧道,趕走他們。
  12. 鬼嚇劉賈:地獄鬼使看到劉賈的種種惡事,出現于劉賈面前,向他加以威脅。劉賈逃跑。
  13. 觀音勸善:羅卜被強人抓住,觀音顯聖,救出羅卜,教化強人作佛教弟子。
  14. 羅卜回家:羅卜聽說母親破戒開葷,趕快回家。
  15. 母子團園:劉氏得知兒子將要回家,慌忙將牲骨埋在花園土中。
  16. 司命議事:掌管人家命運的司命神君將劉氏和劉賈的惡事向玉皇奏上。
  17. 花園盟咒:花園中,益利發現牲骨,然劉氏向天上誓矢以否定開葷的事實。
  18. 城隍起解:城隍派遣一隊鬼使,而捕捉劉氏。劉氏七穴噴血而死。
  19. 傅相見妻:劉氏被鬼卒勾引之中,傅相從天上下來,勸告她向佛懇求救濟。
  20. 劉氏還魂:劉氏虧了傅相向閻王的懇願,暫時還魂,但鬼卒再來將她勾引。
  21. 勾引金奴:婢女金奴幫助劉氏開葷,鬼卒來勾引他‧
  22. 勾引劉賈:劉賈教唆劉氏開葷,鬼卒來勾引他。
  23. 劉氏回煞:劉氏亡魂暫時回到陽界。她訪問羅卜以告別,他睡覺,無法說話而去。
  24. 挑佛挑母:羅卜願望母親再生于西方淨土,將母骨和佛經用擔子挑起來,向西方走路。
  25. 白猿開路:白猿出來,替羅卜開路。
  26. 過黑松林:來到黑松林時,美女出現,誘惑羅卜,但他不動心,仍然向西方走路。
  27. 世尊說法:羅卜來到梅嶺時,白猿奪取母骨而去,羅卜絕望而自向溪谷之中投身而死。
  28. 目連坐禪:世尊救出羅卜,令他出家,改名為目連,授與錫杖,令他到地獄以找母親。
  29. 三殿血湖:目連到地獄第三殿,見到女人在血湖地獄受苦。但找不到母親。
  30. 目連超薦:目連為了找母,每逢地獄,用錫杖打破大門,屇時獄裏被收監的孤魂們都跳 出來以逃跑。因此,目連被看作一個救出孤魂的菩薩。據此,這一年之內,死亡之人的親眷,集合在戲棚之下,向目連懇求救出亡親。親眷將名票和死者的衣物交出,值理即將衣物挂在替身(代表死者的傀雷)的肩膀上,替身跪在目連前面,目連用右肩上的錫杖在地上寫咒文,右手舉起尖上垂下紙條的竹杆,將拿著紙條先端的孤魂替身救出來。親眷在戲棚下大都哭泣。這儀禮就中斷戲劇的進行而做下去。親眷有50名,一共須要一個小時了。
  31. 三堂會審:第四‧五‧六殿三王一起上場,一起會審。劉氏。金奴等受審。
  32. 六殿見母:目連到第六殿,遂于見到母親。給她奉上碗飯。但不久,母親向第七殿去。
  33. 見佛賜燈:目連悲痛,再回到世尊以求救,世尊給他佛燈,讓他拿著佛燈持續趕母。
  34. 十殿尋母:目連趕到第十殿,得知母親變形為狗。
  35. 盂蘭勝會:目連為了救母,舉行盂蘭勝會,母親得到翻身為人。
  36. 一家團園:目連,劉氏,益利和天上下來的傅相,在臺上拜佛,到達一家團圓。