儺戯 南寧師公戯
大酬雷
広西省南寧市郊区平堯郷陳東村の師公団、1992年3月22日演出。田仲一成撮影


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【開場】
 天官が冠帯姿で登場、開場詞を朗唱する東西南北四方の空中に画符を画く、口に清水を含み、祈祷しつつ、紙銭を燃やす、終わって笏を振るい、揖礼により神に敬意を表して終わる。

 天官冠帶上場,朗朗作開場,天官向東南西北四方空中畫符示意,口噴清水,在禱告聲中,燃燒紙錢,然後揮動朝板,作揖打恭。
 
 
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【招雷神】
 天官が「国泰民安」「風調雨順」と書いた三角旗を挙げると、楽屋から東西南北の四方の雷神が登場する。雷神たちは、頭に紅布をまとい、腕はむき出し、紅色、黄色の短褲を穿く。足は裸足で、顔には臉譜(くま)を画く。紅臉、黒臉、白臉、黒白混合臉など、4種に分かれる。四人は、各方位の長椅子の上に立つ。天官は次いで、伏羲(男が女装,日月神)を招く。左右の手に白布で覆った飯碗を持つ、白布には、それぞれ「日」、「月」と書いてある。左右の手を上下に動かし、日が出て月が没する,あるいは月が出て日が没するという意味を示す。ここで天官は退場する。

 由天官舉一上寫國泰民安、風調雨順三角如鋸齒形紙旗,分別從後台引出東、南、西、北四方雷神上場。雷神們頭纏紅布,赤膊,穿紅、黃色短褲,赤腳,臉上畫有簡單的臉譜,一為紅臉,一為黑臉,一為白臉,一為黑白相間,單掌合十,分別立于東南西北方位的條凳上。天官繼又引出伏羲(女裝男扮)左右手分別執一用白布蒙著的飯碗,上寫日月兩字,又稱日月神,左右手上下搖動,寓意日出月落,月升日沒。周而復始。此時天官下場。
 
 
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【閃電】
 東西南北の雷神たちは、右手に点火した蝋燭を持ち、左手にざら紙の台紙に松香粉をまぶしたものを持つ。これを上下に振ると、松香粉は、慣性の力で火に会うとすぐに燃える。これは稲妻を示す。

 東南西北四方雷神右手各執一燃着的蠟燭,以草紙為墊,撒以松香,雷神們上下揮動,松香粉籍慣性之力,遇火即燃。是為閃電。
 
 
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【打雷】
 この時、執事は、爆竹を鳴らす。これは雷鳴を示す。やがて伏羲は退場、代わって、中央に雷神の一人(紅白の隈取)が立つ。他の雷神たちは、手を打ちながら円形を画いて駆け回る。

此時執事者燃放鞭炮,作為雷鳴。稍後伏羲退場,代以一中央雷神 ,面塗紅白間色),眾雷神擊掌奔躍。
 
 
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【降雨】
 次いで、水を入れたお盆を持ち出し、手ですくって地上を濡らす。これは降雨を示す。このとき、場内は大騒ぎとなり、雷神は激しく跳躍する。

 繼而捧出一盆清水,用手澆淋,意為降雨。
 
 
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【造犂】
 雷神は農民に変身する。二人は長い棍棒を担ぎ、三人がなたを持ち、手を打ち跳躍しながら登場する。山にのぼり木を伐り、木で農具を作る。鋸で切ったり鉋をかけたりして、長さを計り、二本の長い竿に一本の短い棍棒を組み合わせて腰紐で縛り、犂を作る。

 雷神已經變身為農民。二人肩扛兩根長木根,三人拿板刀,擊掌跳躍而上,上山伐木,又以木製農具,又鋸又刨,幾經丈量,以此造兩根長棍,配以短木棍,以解下的兩根腰帶,繋做一犁。
 
 
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【犂田】
 一人が倒れて牛の役になり、地上に腹ばいとなって縄を口にくわえ、田を鋤く動作をする。

 其中一人按到作為犁田的牛,使其匍匐地上,用牙咬住繩索,作犁田之狀。
 
 
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【耙田】
 田を犂き終わると、長短の棍棒を組み合わせた木の耙を持ち出す、牛は口に腰紐を咥え、両手で棍棒の端を取り、田をならす動作をする。

 將長短棍重新組合成木耙,作耙田之狀。
 
 
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【播種】
 楽屋から、それぞれ手に点灯した藁束を持って登場し、藁束を振ってほぐし、地上に撒く動作をする。これは播種の動作である。

 從幕後,每人手握兩把點燃著的香草束,上場。張開搖晃,又撒於地上。表示播種之意。
 
 
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【苗取】
 地上の香棒をまとめて束にし、左右の手でそれぞれ一束を取り、腰紐で一対の苗束天秤を作って、持ち上げる。立って舞い、苗取の動作を示す。

 將地上的香草棒整理成束,左右手各執一束,用腰帶作扁擔挑起。翻翻起舞,以為挑秧。
 
 
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【田植】
 田植の動作。縦に見たり、横に見たりして、苗がきちんと並んだかどうか点検する。続いて草取りの動作をする。

 作插秧之動作。豎看、橫看,看插得整齊否?還要耘田、割稻。
 
 
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【稲刈り】
 地上に分散して排列された草束をまとめる動作をする。

 將香束,就是代表成熟了的稻穀攤置于場上。
 
 
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【碾穀】
 農民たちは5人が輪になり、裸足で点灯して地上に並べた草束の上を歩く。次いで、揚穀、風穀、掀穀、などの動作を行い、最後に穀を担いで家に帰る。

 農民。五人手拉成圓圈,赤腳在點燃着的香束上行走。意味著蹍轂。又揚轂、風轂、掀轂、曬轂,直至擔轂歸家。
 
 
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【磨穀】
 石臼で穀物を挽く動作、米をつき、箕で篩い、米糠を除く。

 一副農用的籮筐,虛為石磨,以及舂米、簸米、揚去轂糠。
 
 
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【炊飯】
 三人が鉄鍋を持ち出し、稲藁に点火し、二人が鍋の耳を持って踊る。鉄鍋からかねて入れておいた白米碗を一個づつ取り出し、観衆に分け与えて賞味させる。

 三人端著鐵鍋,點火燃燒稻草,兩人持左右鍋耳,圍繞舞蹈。然後從鐵鍋中捧出一碗碗早就放好的白米飯。端給觀眾品嚐。