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動画 八門功徳

(1985年 香港新界錦田郷太平清醮 — 田仲一成撮影)



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 この儀礼は、広東の正一派道士によって、太平清醮の一部として挙行されているもので、「目連超度」の儀礼の変形である。ここでは、1985年11月に香港新界の錦田郷で挙行された事例を示す。まず、醮場の平面図を示す。(第1図)

 這儀禮是由廣東正一派道士所舉行的太平清醮之中,表演的一種目連超度的變型。這裏介紹的是1985年11月在香港新界錦田鄉太平清醮中所舉行的例子。先表示該醮場的平面圖(第1圖)。


図1:錦田太平清醮・八門功徳配置図


次に、道士の行動の軌跡を示す(図2)

下面,又表示道士所走的路線。


図2:八門功徳、道士走行図

儀礼は、次のように行われる。
  1. 道士1人、身に紅衣、頭に八宝儀冠をつけ、目連尊者の扮装で、儀卓の前に登場する。村の代表たる縁首60名、後ろに従う。
  2. 道士は縁首に跪くように命じ、共に三清殿に向かって拝礼する。道士は意文を読み、位牌を焼く。
  3. 道士は、第1門(開門)に向かって銅鑼を打ち、開始を宣言する。
  4. 道士は、儀卓の下に置いてあった錫杖を手に取り、開門に向かって台詞を述べ、錫杖を振るう。次に、驚門、死門、景門の前に行き、それからさらに休門、生門、傷門、杜門の前に行き、台詞を述べ、杖を振るう。これを終えると、儀卓の前に戻る。
  5. 道士は、錫杖を手放し、大扇を手にとり、各門の前に行き、台詞を述べ、扇を振るっったあと、もとの位置にもどる。
  6. 道士は、1本の小型の旙を錫杖に掛ける、左手でこれを肩に掛け、右手に大扇と藁の蓆を持って、蛇行するように各門の間を走り回る。開門から休門、休門から驚門。驚門から傷門、傷門から死門、死門から杜門に走り、最後に儀卓に戻る。縁首たちも道士の後ろについて走る。
  7. 道士は、点火した油紙を手に取り、三清殿の前の儀卓の上の香炉で燃やしたあと、もとの儀卓に戻る。
  8. 道士は、左手に火盆を持ち、右手に大扇を持ち、儀卓から杜門の前に行き、大扇で杜門の門牌の表札を下から上に跳ね上げてこれを破り、火盆でこれを燃やす。
  9. 続いて、順次、傷門、生門、休門、景門、死門、驚門、開門の前に行き、同じような動作で門牌の表札を破り、燃やす。
  10. 道士は、儀卓に戻り、縁首に跪坐を命じ、蝋燭で奏文を燃やし、爆竹を鳴らして終る。これは、目連尊者が地獄の八門を破り、中に幽閉されている孤魂を救出する儀礼であり、「破地獄」儀礼の変形といえる。



儀依著下面的順序,逐步舉行。
  1. 一個道士身穿紅色道袍,頭戴八寶儀冠,裝扮成目連尊者,緣首(村代表)60名跟隨道士後面站。
  2. 道士命緣首們下跪,一起向三清殿作拜,之後,道士讀意文而焚化神主。
  3. 道士向第1門(開門)打鑼,宣告開始。
  4. 道士拿起卓下的錫杖,向開口道白。揮旋錫杖,走到驚門,死門,景門之前,之後,轉到休門,生門,傷門,杜門之前。在各門前面亦道白揮杖,然後歸位于儀卓處。
  5. 道士放下錫杖,拿起大扇,走向各門(順序同上),道白揮扇而歸位。
  6. 道士把一條小幡係在錫杖上,用左手把它扛在身上,右手拿著大扇和草席,蛇行般地繞跑于諸門之間,從開門到休門,休門到驚門,驚門到傷門,傷門到死門,死門到杜門,然後歸位于儀卓處。緣首們也隨後一起繞跑于諸門之間。
  7. 道士手拿一張點火的油紙,到三清殿前的香爐上焚化,然後歸位。
  8. 道士左手拿著火盆,右手拿著大扇,從儀卓赴杜門之前,用大扇把杜門門牌紙條從下向上打掉,用火盆焚化。
  9. 接著依次赴傷門,生門,休門,景門,死門,驚門,開門各門前面,同樣打掉門牌紙條焚化。
  10. 道士返回儀卓,命緣首們下跪,用燭焚化奏文,放炮而終。這是表現出目連尊者巡行八門地獄,用錫杖打破各獄門,救出裏面被幽閉的亡魂,可 以算是”破地獄”儀式的一種變形。