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黒川能

下座大地踏み


2011年2月、田仲一成撮影


 大地踏みは、上座と同じく男児が務めるが、上座と異なり、女児の姿に扮して演じる。
 陰陽の思想にもとづく。陰陽道の発想から出ている。男児は、黒烏帽子に赤鉢巻の女の姿、王祇様を舞台上に広げて⓵「大地踏み」、王祇様を閉じて②「言口」、③「幣の段」、④「禰宜の段」、⑤「太刀の段」の5段を演じる。⓵②では扇、③④では扇と幣、⑤では扇と太刀を手に持って、舞台を四方に歩みながら、足踏みして力強く舞う。開演冒頭に、地下に潜む悪霊を鎮撫して、舞台を区画し、浄化する結界或いは禁壇の意味がある。男児を用いるのは若い生命力に神が宿り、集団の活力を誇示する意味が込められている。